ラストで君は「まさか! 」と言う 切なすぎるキュン
(3分間ノンストップショートストーリー)
– 2021/12/8
PHP研究所 (編集)
「ラストで君は「まさか!」と言う 切なすぎるキュン」を読んでみた。
姪っ子が借りた本を読ませてもらう。
『キュン』って、恋愛ものだよなと思いながら読んだ。恋愛ものが多い。でも、他のものもあるので恋愛だけが「キュン」ではない。
『プロローグ』がすでにキュンキュンしてしまった。キャンディマシンのレバーを引くように本の頁をめくる……本好きの『キュン』のツボをしっかり押さえてる。
子供にも本好きにも狙い撃ちしてるような文章がすごくよかった。
19編の短編があるけど、今回も気になったものだけ感想を書く。
『理想のクリスマスデート』
今どきのオチだな……と思ったけど、これはスマホがなければノートに書くとか脳内だけなどパターンがありそうなので、今どきとも言えないのかな。
『今どきの機器を使っている』というのと、『今どきの子どもだけができる事』は全く別。むしろ、スマホがある事で『定型通りの理想像』で人間味ゼロになっているのかも。
『ランナー』
むちゃくちゃキュンキュンした。最初の話と違って『スマホが使えない』という設定と『願いを叶える』というファンタジーの物語。恋愛ものというよりも友情モノに近い感じも好き。会えなくても好きという切なさもキュンポイント高い。
『肝だめしにご用心』
怖がりなのにお礼を言いに肝試しに参加……。少し設定に無理があるようなと思ったけど、オチは好きだし、女の子のお兄さんへの憧れのようなものも好き。
『ウソツキすぎる彼女』
設定が無理やりすぎる。一番、無理と思った。心の声が聞こえて『自分を好き』だから、女の子に「つきあう?」と聞く。……これ、『自分(男の子)』は女の子を好きではないし、なんなら「付き合いたい」わけでもないのに告白する失礼な奴でしかない。
自分を好きだと言ってくれるなら、誰でもいいとしか見えないので、キュンポイントゼロ。
『お花をあげる』
妖精が出てくるがっつりファンタジー。
人のために頑張る主人公が素敵。王道な気もするけど、人のために頑張ってる姿にはキュンとする。
『お父さんの宝物』
亡くなったお父さんのフィルムカメラで写真を撮る家族の物語。
フィルムカメラ……懐かしい。恋愛ものでもなく、家族の物語なのもいい。フィルムカメラならではのオチも素敵だなと思う。
『さいごに咲かせた花は』
バス停に来る男の子と女の子を見守る桜の話。
木の視点の静かでしっとりとした物語。キュンはしないけど、桜の静けさと男の子と女の子の静かな出会いと再会が素敵。
恋愛ものが多かったけど、毛色の違うものもあって楽しく読めた。
ごちそうさまでした。