ふしぎ文房具店の八雲さん
願いをかなえる文房具、あります
–2021/8/5 小川 彗 (著), たま (イラスト)
「ふしぎ文房具店の八雲さん 願いをかなえる文房具、あります 作:小川彗 絵:たま」を読んでみた。
銭天堂のような物語かなと思って借りてみた。
不思議アイテムは『銭天堂』を思い浮かべてしまうけど、この本は『文具店』のお話。5つの短編。
1.びっくり記憶マーカーペン
マーカーで塗った部分を記憶できる『びっくり記憶マーカーペン』。一つの教科でしか使えないと言われていたが、複数の教科で使ってしまい……。
という物語。『約束』をやぶると酷い目に合うのも銭天堂っぽいけど……銭天堂の前にも似たような物語はいくつかあったと思うので、別に銭天堂に似てるわけでもない。
最後は全てを『消す』事が出来る救済策があるのがいい。
2.交換ノート【HONNE】
最後の文章は『その人の本音』が書かれてしまうという『交換ノート【HONNE】』。ちゃんと相手に本音を確認するように言われていたが……。
という物語。
ほのぼのとした交換ノートがいい。本音をちゃんと確認できたのもよかった。
3.ロケットハッピー鉛筆
鉛筆を使う度願い事が出来る『ロケットハッピー鉛筆』。使い切ってから次のお願いをするように言われていたが……。
という物語。
これはラストがちょっと酷くて、うーんと思ってしまった。前の二話がほのぼのだったのにいきなり『周囲とすれ違っている子供』が地獄に突き落とされるのは酷く感じる。
4.カロリーメジャー
測るだけで体重が減る『カロリーメジャー』。一日一回しか使えないと言われていたが……。
という物語。
物語はありきたりな感じだけど、実は二人が買っていて、別々のラストになったというのは意外と思えた。
5.着せ替えマスキングテープ
マスキングテープで自分の写真に服を張るだけで着替えが出来る『着せ替えマスキングテープ』。他の人が使ったり、剥がしたりしてはいけないと言われていたが……。
という物語。
少し無理やりな感じがして、違和感しかない。めんどくさがり屋は服を切り抜いたり、テープで張るのもめんどくさいと思うような気がしたが、そこは『興味はある』という点で乗り切ったのかなと思えても、ラストの『実は着替えもしてなかったから臭い服になっていた』というのは……親が洗濯してるなら、洗濯物が出ていない事を不審に思いそうだけど、この家はネグレクトでもあったのかなと思ってしまった。
最初の物語が面白かっただけに、後になるほどイマイチになってしまったのは残念。
でも、面白かったので続きを読んでみたいかなと思う。