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絵本「あかちゃんがうまれるまで」を読んで

2024/02/28

あかちゃんが うまれるまで (性とからだの絵本)
2022/3/30 遠見才希子 (著), 相野谷由起 (イラスト)

「性とからだの絵本 あかちゃんがうまれるまで 作:遠見才希子 絵:相野谷由起」を読んでみた。
図書館で借りた6冊のうちの一冊。
おとなになるっていうこと』と同じく性教育の絵本。こちらは赤ちゃんが生まれるまでの話。


しっかりとセックスの事が書かれている。同意についても書かれているけど、この絵本は子供向けなので『おとなになったひとどうしがすること』となっている。子供が真似しても困るので、『酒やたばこ』と同じく大人がするものとして教えるのでいい。イラストの良い点は『現実感がない』『よくわからない』点。絵がシュール。セックスよりも心配なのは『穴にいろいろ突っ込もうとすること』の方だろうな。セックスが何かとか、そう言う話よりも『穴(口、鼻、耳、その他体の穴)にモノや指入れるな』をセックスより先に教える必要はある。


精子と卵子の話だけではなくて、お腹の中の赤ちゃんが何週目でどんなふうになるのかや、産み方の話、産まれてくるにはリスクもあるという事まで書かれている。

絵本部分はほのぼのとしながらも、子供への性教育に必要な話は一通り書いてある。

こちらも最後に、説明が載っている。
不妊治療や未熟児、避妊具の事まで書かれている。
さらにラストページの『大人の方へ』は大人必読の文章になっている。
私はここで、女性用のコンドームの存在を知った。……日本では入手困難とある。


『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』の学習目標についても書かれている。
「妊娠は、精子と卵子が結合し、子宮に着床して始まる事を再認識する」(5~8歳)
「ペニスが膣内で射精する性交の結果で妊娠が起る事を再確認する」「意図しない妊娠のリスクを下げるために、男性用と女性用コンドーム双方の正しい使い方の手順を説明する」(9~12歳)


コンドームの使い方は9歳から教える。今の性教育を受けられてる日本の子供はいいなぁと言いたいが、9歳の姪っ子はコンドームの存在すら知らなかった。
日本の性教育は死んでいる。こう書くと、コンドームが必要なのかという話になるけど、必要かどうかではなくて『存在する事』を知っているかどうかという話。
12歳までにはというのもおそらく『初潮を迎えるころまでには知っておく』という意味合いだと思う。コンドームを性行為を教えるという意味合いで捉えてる人が多いけど、そうではなくて『断る』という同意の話がその前にあるので、『妊娠可能な体ではないから断る+しない』ということが最善であるという知識があっての『性行為の話』
この辺りの話をすっ飛ばすと『性行為やコンドームを子供に教えるなんて』という……順序がめちゃくちゃな話になる。その前に教えることはたくさんある。
同意の話は『同意って何?』の本で。

コンドームで風船を作って遊ぶという学びもあるらしいので、わぁ。私大人だけど、その遊びしたいと思ってしまった。コンドームは意外と頑丈なので『水を入れる袋』としても使えるとか。意外と実用性があるのね……と思う。



子供向けだけど、大人にとっても良い。
エロ本やR18作品を読む前に一読どうぞと差し出したい絵本。





これ、母親の身体の変化をもっと具体的に書くと、大人向けになりそう。そう言う本はないのだろうか。骨盤への負荷や、呼吸、寝返り、骨がすかすかになるだとか……。血糖値の変化もあるし、最終的に骨盤骨折が起る可能性もあるみたいな。妊娠出産時の身体リスクについてこれでもかと全て説明されている本が読みたい。

ド田舎だと、選べる産婦人科がないどころか、産婦人科まで距離があり危険な状態の場合病院まで持たないという事まで含めて……どの地域がそのような場所になるか。日本列島のどれくらいの部分がそれにあたるのかも知りたい。離島の場合は本島や近くの大きな病院がある島まで行ったりするのだろうか?


私が住む隣の県では、危険な状態で病院まで間に合わずに亡くなった事例が発生しているのは知っている。



知りたい事は増えるケド、適切な本を探すのが大変なんだよな。

『あかちゃんが うまれるまで』