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「時が止まった部屋」を読んで

2024/02/22

時が止まった部屋:
遺品整理人がミニチュアで伝える孤独死のはなし
– 2019/8/20 小島 美羽 (著)

「時が止まった部屋 遺品整理人がにミニチュアで伝える孤独死の話」を読んでみた。
少し前に話題になっていた記憶がある。図書館で見つけて開いてみたら読みやすそうだったので借りてみた。

そして、一日で読み終えた。写真が多く見るだけのページのおかげ。
ミニチュア写真とそれに関する話が載っている。文字の部分も読み応えがあってよかった。


遺品整理の時に『友人』を名乗る不届きものが来ると言う話は……人間ってと思ってしまった。お悔やみを言うでもなく、『金目のものを「生前に譲り受けると約束した」と言って持っていく』。
見知らぬ他人が図々しく初対面の遺族の前で死者の遺品をぶんどっていく……そんなあさましい真似が孤独死の遺品整理では起きているらしいというのは、想像も出来なかった。
関わりが薄かった遺族には『友人』と名乗る人物が本当に友人かどうかすらわからない。

他にもゴミ屋敷や家の中の密室。ペットの話などは、遺体の跡というものが残っていてすごいのだと書いてある。ミニチュアでもそれが再現されていた。苦手な人は苦手かもしれない。遺体はないのだが、人の形の痕が再現されているものもある。

そしてちゃんと、初めの方に写真にそのようなものがあるので苦手な人は注意と書いてある。良心的。


さらにはどれもそうだが『臭いがすごい』のだと書いてある。
それを読みながら、分かる……と思ってしまった。さすがに人間ほど大きなものはないが、昔、子猫が真夏に家の傍で死んで一日も経たずに酷い臭いを発していた。放置したのはせいぜい数時間だったのだと思うが、一週間ほどは濃厚な腐敗の臭いが消えなかった。さらにひと月はうっすらと臭いが残っていたが、鼻に残っているのか実際の臭いなのかが分からなかった。

とにかく腐敗の臭いと言うのはそれだけ『周辺に染みつく』というのは分かる。



ミニチュアの『死体の跡がくっきり残るほど』の腐敗は……絶対にとれないレベルの臭いがそこに張り付いていたのだろうなと。
死ぬなら腐る前に見つかりたいし、それが無理なら白骨化するまで見つからない方がいいと思ってしまった。



最後の方は少し優雅な孤独死の話だった。
ミニチュアも高価そうな家具が置いてあったりする。死体の痕さえなければ、『こんな部屋に住みたい』


それにしても、ミニチュアが細かくて……どうやったのだろうか。ゴミ屋敷のごみの再現とか、猫たちまで再現されてるのすごい。
『遺品整理』とは関係なくミニチュアの造りが気になる部分も多い。
これが独学。すごい。としか、言えない。

『時が止まった部屋』