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「地獄」を読んで

2024/01/23

絵本 地獄――千葉県安房郡三芳村延命寺所蔵 大型本 – 1980/8/31
白仁 成昭  (著), 中村 真男 (著), 宮 次男 (監修)


図書館で見かけたので、借りてしまいました。
素敵。地獄だわ。子供向け……なのか?
と思ってしまうくらい地獄。

こーいうの好きだけど、子供に見せるのはちょっととも思ってしまう。
中には小学2年生の感想も(カバーに)書かれていて、「しんだらやだなぁとおもった」と書かれていた。
書いた人の思惑としては「子供たちに死の怖さを教えたい」らしい。


地獄の怖さよりも、もっと具体的な『死』の方が大切なのでは?と思った。
例えば、車から落ちたら死ぬ。電車にはねられたら死ぬ。高層階から落ちたら死ぬ。みたいな。

『死ぬことは怖い』けれども、「どうやったら死ぬのか分からない」子供の方が怖い。実際、高層階から落ちてなくなる子供は増えているらしいし。

……ちょっと考えてしまったのは、『人は死んだら地獄に行く』のだから、「嫌な奴を地獄に送って復讐したい」みたいな……変な方向に考える子供はいないのかなーと。


個人的には、絵本の絵と話はとても好みで癒されるのだけれども、中に作者の考えが書かれていて、その部分は萎えた。絵と話だけでいいんだけどな。
くどい説教付き絵本とか、いらないんだけどな……と思ってしまった。


小さな子どもによってはただの『トラウマ本』になるので、これを与えて『死の怖さを感じさせる』というのは、違うなと思う。怖いのはこれで子供を脅そうとする大人の方だという自覚も必要な本。

絵本 地獄――千葉県安房郡三芳村延命寺所蔵 大型本