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「ねむり」を読んで

2024/01/15

ねむり 著:村上春樹


何とも言えない世界の話だなと思った。
独特のイラストと物語が絡まって、現実なのに現実離れした感じの世界に引き込まれた。
淡々としているようで、弾けるような空気も感じる……何と言っていいのか分からない世界だった。

物語は『眠れない世界』を語る。
が、最後に現実とリンクして、そこが『現実』なのだと突きつける。
そんな風に絡むのか……と思った。


実は読みながら、『夢オチ』でもおかしくないかもと思いながら読んでいた。
「眠れない夢をみていた」という、世界なのかな?と。
夢オチではなくて、一応『現実』で終わっていた。
が、それもまた比喩なのかな?とも思った。
ネタバレしたくないのでぼかすけれど……
『倒そうとしている』のは、現実世界で起きている事として書かれているけれど、
その手前に書かれていた『眠りの定義』のようなものにも通じる。
それとも『眠れない世界』から『眠れる(実は夢で、現実世界でゆすぶられている)世界』への移行なのだろうか?
と、考えてしまった。
単純に読むと、「この後、現実世界でニュースになるんだな」で終わりそうだけれども、考えると終わり方が広がりすぎて、どう受け止めればいいのか分からなくなる。




妹にも『短いし読んでみる?』と勧めてみて、先に読んでもらったけれど「よく判らない」が感想だった。


確かによく判らない。

判らない。判らないから、考える。
考えると世界が広がりすぎて、益々、ワカラナイ。

面白いか?と聞かれると、ううーん……と悩んでしまう。
オチに考えさせられるものは、私にとっては『面白い』
けれど、淡々とした日常だけの描写は少し『つまらない』

ねむり 著:村上春樹