編集

かんもくエッセイ本2冊

2024/01/15

私はかんもくガール』と『かんもくって何なの?』という本を買ってみた。

……エッセイ本だと思うケド、一冊は発達障害の棚に、もう一冊はエッセイ本の棚にありました。本屋によっても違うのかも。中身はそんなに変わらないのに。

 


で、読んでみた感想。
うーん。うーん。2冊とも大まかな筋が一緒なので、2冊は必要なかったかも。


場面緘黙:かんもくとは?
::ある特定の状況や場面でまったく、もしくはほとんど話すことができなくなる症状。身体的に話せる機能と知識は有している。
(どのような状況でも全く話せない場合は全緘黙)
ここでは、『場面緘黙』を『かんもく』と表記してます。


この本をお勧めしない人

この2冊を読んだ「かんもく児を持つ親」は自分が悪いんじゃないかと思うだろうな。
(アマゾンレビューにもそれらしき言葉があったような気が)
だから、「かんもく児を持つことで苦しんでる親」にはお勧めしません。

もっとほかの本を読んだ方がいいです。
支援も何もなかった時代の事例を読んでも、参考になるものは少ないと思います。
今の支援がどの程度あるのかは知らないので 、何とも言えない部分もありますが…

また、大人になった現在かんもくに苦しんでいる人。
もしくは、かんもくの後遺症に苦しんでる人もお勧めしません。
大人のかんもく当事者(後遺症に苦しんでる人含め)に対しても得る知識はあまりありません。

運よく良い人に出会えたら(もちろん、出会うまでは努力や苦労をしてますが)、変わったというような話なので、益々凹む人がいそうな気がします。


お勧めする人。

とりあえず、かんもくを知りたい人。
ただし、これは一例に過ぎないという事を頭の隅にでも入れてください。

元かんもくだった人で、そーいえばこんな事があったなぁと笑える人。
または、ここは違うなぁと自分と比べて楽しめる人。

かんもくらしき人に関わって、あの時の対応はあれでよかったのかな?と思った人。
その事例が載ってるかどうかは分かりませんが、もしかしたら参考になるかもしれません。


2冊の共通点&大まかな筋

『かんもくガール』と『かんもくって何?』の共通点&大まかな筋

:入園前に不安感を自覚する
:母親は子供を責めるタイプ(子供の自信を奪う)
:両親の仲は悪い。
:周りからは都合よく使われる(もちろん、優しい人もいる。)
:習い事orバイトが続けられる。
:高校で普通に喋れるようになる。が、色々と問題勃発。
:社会人後の鬱。
:価値観や感性が合う人と出会う。
:自信を持って、好きな事をしている今。

大まかにこんな感じ。これだけだと、普通の人の人生だけど、かんもくに関するエピソード入り。(もちろん、かんもくとは関係ないエピソードも入ってる)


2冊とも『機能不全家庭で育っている』という事も共通している。
というか、2冊読んでどちらも原因が『機能不全家庭で育ったから』みたいになってると、かんもくの原因って家庭?と思いそうだなぁ。

……手に取りやすい漫画形式だから私も手に取ったけど、これだと『かんもくの原因は機能不全家庭』になってしまいそうだ。

『かんもくって何?』の方では所々に、『家庭だけが原因ではない』と書いてあるが、漫画だけを辿るとどう見てもそうは見えない。

2冊買うのならば、もう少しいろんな家庭背景とか、症状自覚時期の違いとか、周囲の対応の違いとか……いろんなものを比べてもみたかったのだけどほとんどが一緒です。


2冊の違い

『かんもくガール』の方は習い事いっぱい楽しくやって、不登校にもなって……
と、自由さがあふれる。

『かんもくって何?』の方は暴力当たり前、子供からお金をせびる親。不登校という選択肢は無し。

自由って何?それおいしいの?状態。


同じような『機能不全家庭』ですが、「かんもくって何?」の方は家庭だけではなく学校もハードです。


『絵柄』もかなり違います。
『かんもくガール』の絵は可愛いです。内容もそこまで重くはありません。
子供時代のエピソードが多めです。
さらっと読みたい人にはこちらがお勧め。


『かんもくって何?』の方も表紙は可愛いのですが、中身は所々、ホラーです。怖いです。
内容も『かんもくガール』より重いです。
社会人になってからのエピソードが多め。
じっくり重さを感じたい人はこちらをどうぞ。

と言った感じでしょうか。

それはどうなのかな??と思った点

どうでもいいだろうけど、個人的に気になった点。


地方在住なので、『かんもくって何?』の「ド田舎感」にはうーん。と思った。
引っ越し先でいじめにあった理由っぽいのを書いた部分。

『田畑に囲まれたド田舎だからか 校風か』

……都会にいろんな人がいるように、田舎もいろんな人がいます。
いじめを平気でする人間の理由を田舎に求めないでください。


『かんもくって何?』に『Itと呼ばれた子』や『ビリー・ミリガン』がちらっと出てる。

私も読んだ。中学生ぐらいだったかな。忘れたけど、読んだ。わー。いっしょーー。
で、その次。


『親から虐待受けたり、いじめにあってないから、私は幸せ者だけど
この子の気持ちわかるなぁ』←↑矛盾に気が付かない。

の部分。
矛盾なんてないと思うんだけどな。
一般的には『虐待にあってないけど、そんな子たちの気持ちが分かる』というのはある。想像力で共感してしまう事があるから。

ただ単に、『自分の境遇に気が付いてない』でいいんじゃなかろうかと思った。
それは普通にある事だし、本の中では酷い暴力が振るわれていて死にかけている。それと、『まだ死にかけてないからこれは虐待ではない』と思ってしまう事に矛盾はない。


そんな感じでさらっと比べた感じでした。

私はかんもくガール』『かんもくって何なの?