– 1971/4/18 ブラム ストーカー (著), Bram Stoker (原名), 平井 呈一 (翻訳)
「吸血鬼ドラキュラ」を読んでみた。
著:ブラムストーカー 訳:平井呈一
家にあるのは青い本で古いものだった。内容は同じ。
ネタバレするのです。
訳が古いせいか西洋の話なのに『経』という言葉が入ってきたりして、和風混在していた。
脳内変換で『おそらく聖書や祈りの言葉』と思いながら読んだ。
そんなのがいくつかある。聖餅って何だろう? たぶん、キリスト教の何かだろうともいながら、読んだけど全く想像できなかった。
調べたら『聖なるパン』らしい。煎餅のような感じとも書いてあった。なるほど。
あと、輸血の描写が……誰でもいいのか?血液型は――??と一瞬謎に思ったけど、『そういうもの』と飲み込んで読み進めた。こちらもちょっと調べたら、書かれた時代を考えると輸血の知識がそんなになかったのでは?と。なるほど。
所々、引っかかるものはあるケド、楽しく読めた。
話は3つに分かれる。
まず、主人公のジョナサンがドラキュラ城へと幽閉されて、そこから抜け出すまで。
次は、ジョナサンの恋人の友人ルーシーが不死者へと変わり、殺されるまで。
最後に、ジョナサンの恋人から妻になったナミと不死者ルーシーを退治した4人+ジョナサンの6人でドラキュラ探しをして、退治するまで。
ドラキュラのお城とルーシーが死ぬまでは、楽しかった。
ただ、話の進みが遅い……風景描写が何ページも続く旅の描写もある。すごいけど、物語から気持ちが離れてしまう。
ラストは……無駄に長い。ドラキュラと対決になるのかと思えば、鬼ごっこになり、延々とドラキュラを追いかける話になっていた。
最後には追い詰めて退治をするけれども、ドラキュラ退治自体はあっさりしすぎていて拍子抜け。
むしろその直前の人間対人間の方がバトルして、死者まで出ている。
吸血鬼よりも人間の方が怖いって言う話かな?と思ってしまった。
そして時代が時代なせいもあるのだろけれども、『紳士たるもの…うんぬん』とか『淑女は……うんぬん』みたいなのが続いていてウンザリした。間違ってはないし、『お互いにお互いを尊重する精神』からきている部分もあるのだろうけど。
色々とモヤンとする。
6人皆で、ドラキュラ退治……と言いながら、最終的にナミが蚊帳の外とか……だったら、最初から外に置いておけばいいのに。
最後の方は『ドラキュラに汚された』という理由がついて来るけど、なんだかな。
以前一度読んでいたけど、ルーシーが死ぬという部分しか覚えてなかった。
ドラキュラ……なのに、ドラキュラがどんなものなのか記憶に一切残らない。
ルーシーの話のところが一番面白い。
ドラキュラは……『よく判らない』 大胆不敵なのか?小心者なのか?
説明がついていたけれど、第三者の視点からだけで直接の描写も『恐ろしいモノ』として書かれている。登場は最初の城のところで主人公とやり取りする程度。
その後は「ドラキュラに襲われたルーシーとミナ」というだけで、肝心のドラキュラがあまり出てこない。
分からないモノってそんな感じの方がいいんだろうなとは思うケド、印象に残らず消え去ってしまいそうだ。