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『女を幸せにしない「男女共同参画社会」』を読んで

2024/01/23

女を幸せにしない「男女共同参画社会」 新書 – 2006/7/1
山下 悦子 (著)


読んでみた。
「一億総働き蜂社会」と出てくるので、「一億総活躍社会」っていつからだったっけ?と調べてしまった。
思ったよりも近年だった。この本は10年以上前のものだけれども、たぶん今も大して変わってない。今回の選挙も「女性当選数・割合」が過去最高……とか、ニュースになってるんだから。
過去最高で10%と少し。男女平等は程遠い。


一億総働き蜂社会については、ほとんど同意だし、そうだなーと思って読んだ。
けれど、「家族」の解体……みたいな話は、婚外子にも遺産が渡るなんて本妻の立場はどうなるのよ!!みたいなものもあって。
それは、本妻とか関係なく『子供の権利』なんだけどなと思った。感情的には同意するけれども、子供が妾の子供になろうなんて選んで生まれるわけでもない。
子供に渡る遺産を「親のもの」と同化するのは、違うと思った。(実質、親のものになってしまうとしても)


そんな感じで家族幻想がちょこちょこ出てきてて、その辺りは読み辛い。
他にもシングルは他人が産んだ子供に将来養われるのに!!みたいなものも……うん。気持ちは判るけれど、なんかそれも違う。それを言うのなら『税の振り分けがおかしい』という話。……いや。そーいう話にもなっていたけれど、なんかやけに感情的な感じがした。

韓流に至ってはもはや意味不明。


もうちょっと統計を示して、こうなのだと書いている本かと思ったけれど、
読めば読むほど統計は減って、感情論になってるようで、半分は読むのが辛かった。こーいう感覚の人なのだなとは思うのだけれども、シングルな私は責められている気分になってしまった。



「一億総働き蜂社会」は十年前も今も変わらないどころか、状況は悪化してるような気がする。介護についても書かれていたけれども、介護も基本在宅をすすめている……と思う。恐らく今はもっと酷くなってる……ような。


私自身は介護なんてしたことないし、祖母は施設に入ってるので会うことも少ない。
けれど、介護認定が下がる事を母たちは気にしていて、「下がったら施設を追い出される」とか、「このままだと追い出される(要介護度を上げないと)」みたいなものは聞いたことがある。
政府としては軽い症状の人達は「自力でどうにかしてくれ」という事で、施設に入るには軽いとダメらしい。あげないと……と言うのはともかく、祖母としては他人にはしっかりした自分を見てほしいから、しっかりとしているふりをする。
そうされると要介護度が下がってしまって、母たちが大変な目に合う。という事になる。が、わざとぼけたふりをするのも大変なわけで……なんだかなと思う。


けれどこれは、『今』の話で恐らく母が高齢になったころ(すでに高齢者だけれども)、私が高齢者と言われるようになった頃には
『死ぬ一歩手前』でやっと施設(病院)に入れる。状況だろうなと思う。
介護殺人なんてものもありきたりな今……。
成人がお酒や選挙の解禁(今はそうなってないけれど)…ならば、高齢者になったら安楽死の選択の解禁に出来ないのかなぁ。


女を幸せにしない「男女共同参画社会」 新書